コラム

あなたのMarketoスキルはどのレベル?今すぐ使えるスキルチェックシートで自身のMarketo習熟度を可視化してみよう

デジタルマーケティングの代表的なツールとして広く認知されている、Adobe Marketo Engage(以下、Marketo)には、非常に多くの機能があり、施策の内容や目的によって様々な設定パターンがあります。しかし、操作の理解度やスキル習熟レベルは担当者によって個人差があります。
日々の業務でMarketoを利用する中で、単語や設定の意味を正確に把握できていますか?また、自身がどれくらいのレベルのスキルを習得しているか、客観的に評価できているでしょうか?
Marketoの運用において、自身のスキルを可視化し、弱点を明らかにすることは、今後のスキルアップやチーム全体の成長に向けた効果的な対策を立てる上での重要なヒントとなります。本記事では、Marketoスキルチェックの有用性とチェックシートの活用方法について考察します。

※関連ナレッジ資料※
Adobe Marketo Engage操作スキルチェックシート をダウンロード

はじめに:自身のMarketoスキルを可視化することの重要性

デジタルマーケティングの成果を最大化するためにも、Marketoを含む各種マーケティングツールの自身の現状スキルを正確に把握し、常に向上させることが重要です。そのためには、定期的なスキルチェックが欠かせません。スキルチェックを通じて、自分のスキルを客観的に評価し可視化することで、弱点を明確にし、強化すべきポイントを容易に見つけることができます。
これは個人にとってだけでなく、チーム全員が最新の機能やベストプラクティスを共通理解し、適切に運用するためにも重要です。また、メンバー間のスキルギャップを把握することで、適切なサポートやトレーニングを行い、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。

スキルチェックのポイント:何を評価する?

Marketoのスキルチェックにおいては、各機能ごとの理解と実務での活用能力の2つの軸を総合的に評価することができます。
各企業の運用方法や作業者の操作権限により、評価するポイントは少し異なる場合もありますが、弊社パワー・インタラクティブでは、以下の1~7の機能カテゴリ別に分類し、それに紐づく項目をチェックのポイントとしています。

1.Marketoコア機能について

・目的の施策に適したプログラムの使い分け
・スマートリストとスタティックリストの違い
・基本用語、機能の名称、目的、理解度 など

2.スマートキャンペーンについて

・トリガーとフィルターの理解
・スマートリストタブでの設定、抽出条件
・フロータブでの設定、待機処理 など

3. LP・フォーム(ランディングページとフォーム)

・フォームの作成、各機能の設定方法の理解
・ランディングページのデザイン
・埋め込みコード など

4.メールプログラム

・パーソナライゼーションの理解
・オペレーショナルメールの理解
・A/Bテストの設定方法の理解 など

5.エンゲージメントプログラム

・ストリームの設定方法の理解
・コンテンツの追加、ケイデンスの理解
・コンテンツの消費済みの理解 など

6.アナリティクス

・各種レポートの目的理解と設定方法の理解
・レポートの項目についての理解 など

7.管理メニュー

・ユーザー権限の管理の理解
・インスタンスの基本設定についての理解
・通信制限の理解と設定方法の理解
・外部ツールとの連携方法の理解 など

スキルチェックシートの活用法:個人の成長とチームの成長を支援

スキルチェックシートは、個人またはチームの成長をサポートするために効果的です。個人にとっては、自分の現在のスキルレベルを客観的に評価し、どの部分が強みで、どこが改善の余地があるかを明確にすることができます。スキルチェックシートを活用することで、具体的な学習計画やスキルアップのための目標設定が可能となり、効率的かつ継続的な成長を促します。
また、定期的にスキルチェックを行い、自身の習熟度の推移を確認できることで、達成感を得ながら、モチベーションも維持することができます。

また、チーム全体においても、スキルチェックシートを活用することで、メンバーのスキルレベルを把握し、チーム内の弱点を補強する体制作りや戦略を立てることが可能になります。個々のメンバーがどの領域が得意で詳しいか、または習熟度が低く自信が無いかなどを共有することで、相互にサポートし合える環境が生まれ、チームのパフォーマンス全体が向上するとともに、チームの結束力にもつながります。
さらに、スキルチェック結果を基にトレーニングやナレッジ共有の機会を持つことで、組織全体の成長につなげることができます。スキルチェックシートは個人とチームの両方にとって、成長を支援するための重要なツールとなります。

スキルレベル別トレーニングプランの作成

スキルチェックシートを活用して各メンバーの現状スキルを把握することにより、初級者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせたトレーニングプランを策定することも可能です。

初級者向けには、基礎的な操作や概念の理解を中心にプランを策定します。
具体的には、Marketoの基本用語をはじめ、コア機能やキャンペーン設定、リード管理の基礎を習得し、日常的な業務で使えるスキルを身につけることが目標となります。
未経験の新人トレーニングにおいても、Marketoの基礎を学ぶプログラムとして活用することも可能です。

中級者や上級者向けには、管理機能の理解や、より高度な機能や応用スキルに焦点を当てます。
例えば、複雑な自動化フローの設計や、パフォーマンス分析を基にしたキャンペーン改善の手法を学びます。また日常的には触れない管理機能についての理解を深めたり、実際にテスト環境でハンズオン実習を交えたりすると、スキル向上のスピードをより加速することができるでしょう。

効果的なスキルアップの方法とは?

チームでのスキルアップを図るためには、個々のメンバーが持つスキルを活かしつつ、全体として成長できる環境を作ることが重要です。具体的な方法として1~5の方法を挙げました。

1.定期的なスキルチェックの実施

定期的にスキルチェックを行い、個々のスキルレベルを把握し、チーム全体で不足しているスキル領域を把握します。個人ごとのスキル向上だけでなく、チーム全体のバランスを近いレベルに整えることも重要です。

2.学習の機会を増やす

オンライン学習ツールや動画、クイズ形式など、手軽に学べる機会を増やします。
社内勉強会や情報共有会を定期的に開催し、実践的な設定のケーススタディやワークショップを行うことも効果的です。

(実施内容)
弊社の例として、各クライアント案件で独自性のある設定や効果が実証されている施策、新機能を活用した設定事例などを週次ミーティングで紹介する時間を設け、他チームメンバーがそのノウハウを自身の担当プロジェクトにも応用できるよう、チーム全体のスキル向上を図っています。

3.ナレッジの共有

定期的なミーティング、または社内Wikiページのようなツールを活用して、学んだ内容や成功事例、失敗事例から得た教訓をチーム全体で共有します。
特定のプロジェクトやキャンペーンで得た実例や経験を共有することで、チームが他のプロジェクトでも応用できる知識を得ることが可能になります。

(実例追加)
弊社担当チームでは週次ミーティングの際に、各案件でのTips情報を共有し意見交換の場を設けたり、実際に起きたよくある設定の誤りについて情報共有をしています。複雑な設定の手順や注意事項は社内Wikiにまとめており、過去の事例や改善策を誰もが参照できるようにしています。

4.メンター制度の導入

経験値が高いメンバーがメンターとなり、メンバーをサポートするメンター制度を導入することも効果的です。スキルレベルが異なるメンバー同士がコミュニケーションを深め、チーム全体で知識を共有しやすい環境を作ることができます。

5.Marketo認定資格の取得

MarketoツールベンダーのAdobeが実施しているMarketo認定資格の取得は、キャリアアップにも大きく貢献します。資格は、専門知識を有することを証明するものであり、信頼性や市場価値を高める効果にも有効です。

関連記事:目指せ、全員資格保有者! Adobe Marketo Engage運用代行メンバーのスキルアップへの取り組み

まとめ:スキルアップを目指すためのステップへ、今すぐスキルを可視化してみよう

スキルの可視化は、個人やチームの成長に向けた第一歩です。
自身の強みや弱点を正確に把握し、次に取り組むべき課題を明確にすることで、効率的なスキルアップが可能となります。Marketoのような高機能なツールを使いこなすためには、日々の業務でどの機能をどの程度理解しているか、活用ができているかを定期的に確認し、改善を続けていくことが大切です。定期的な見直しを通じて成長を実感すると同時に、更に次のステップを目指すモチベーションにも繋がります。

以下のリンクから弊社でも活用しているスキルチェックシートの一例としてサンプルを無料公開していますので、この機会にスキルの可視化をしてみませんか?
自社で強化したいテーマやポイントに過不足がある場合は、シートの項目を適宜加工してご活用ください。自身の現在の弱点を把握し、目標達成に向けた効果的なプランを立て、スキル向上への一歩を踏み出しましょう!

<使い方>
このチェックシートは、Marketoの各機能に対する理解度を確認し、スキルアップを目指すためのツールです。新人採用時のレベルチェックとしても利用いただけます。
各項目について「◯」対応できる、「△」部分的に対応できる、「×」全く対応できない、で自己評価し、「△」や「×」がある場合は、関連するトレーニングや実務経験を積んで習得します。すべての項目で「◯」を目指しましょう。

長島 小百合

マーケティングコンサルタント

長島 小百合

マーケティングオートメーション活用支援

複数のIT系企業にてBtoBマーケティング業務に従事。
ユーザーとしてOracle Eloquaなどの国内外のマーケティングオートメーションツールに携わり自社マーケティング施策を実行。
2022年より現職、Adobe Marketo Engage オペレーション支援を担当。マーケティング部門での業務経験より、お客様と同じ視点でマーケティング活動をサポート。
溺愛中の愛犬が癒しの存在。

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