Marketo活用、その先の壁をどう越える?Adobe Marketo Engageチャンピオン ネットワーキングナイト

2024年度・2025年度と開催し、多くの反響をいただいた「Adobe Marketo Engageチャンピオン実践講座」。当講座の特別企画として「Adobe Marketo Engage チャンピオンネットワーキングナイト」をオフラインで開催しました。
第1部では、弊社より最新のアンケート調査で見えてきた、Adobe Marketo Engage活用の課題と成熟度モデルの考察を解説。それをふまえて、パネラーに迎えた歴代のゲストとともに、これからのデータ活用やAI時代のマーケターのスキルなどについて、活発なパネルディスカッションを展開しました。さらに第2部はネットワーキングにて、ゲストや参加者同士の交流を深めていただきました。
本稿では、前半のパネルディスカッションの内容を中心に、先端を走るマーケターがどのような視点でマーケティング業務に取り組み、これから先をどのように見ているのか、そのエッセンスを凝縮してお届けします。
登壇者
(パネラー)
岡 桃子 氏
株式会社スマートドライブ マーケティング部 マーケティングオペレーション
佐藤 正樹 氏
株式会社日立製作所 デジタルシステム&サービス営業統括本部
Executive Strategy Unit デマンドジェネレーションセンタ プランニングエキスパート
倉元 葉月 氏
株式会社グロービス BtoBマーケティング部門 シニア・デジタルマーケター
石野 真吾 氏
ナインアウト株式会社 代表取締役
(進行)
山下 智
株式会社パワー・インタラクティブ マーケティングコンサルタント
左から
石野 真吾 氏(ナインアウト株式会社)
岡 桃子 氏(株式会社スマートドライブ)
倉元 葉月氏(株式会社グロービス)
佐藤 正樹 氏(株式会社日立製作所)
山下 智(株式会社パワー・インタラクティブ )
「見るだけのデータ」で止まっていないか
第1部の冒頭で共有されたのは、パワー・インタラクティブがMarketoユーザーを対象に実施した「Adobe Marketo Engage の運用とデータ活用に関するアンケート」(回答数50社82名)から見えてきた、マーケティング活動の成熟度モデルです。(図表1参照)
図表1:マーケティング活動における成熟度モデル
浮き彫りになったのは、データは繋がっても組織は繋がっていないというサイロ化の現実でした。MarketoとCRMを連携している企業は多い一方、DWH(データウェアハウス)やCDPといった統合データ基盤の構築は半数が未着手。ターゲットやリードの定義が曖昧なまま運用され、メルマガ配信など「守り」の業務に追われている実態が見えてきました。
貴社では、現在どのフェーズにあるでしょうか?「自社もサイロ化で止まっている」と感じた方、安心してください。Marketoチャンピオンたちも、最初は同じ悩みを抱えていました。
営業との認識のズレは、泥臭く対話することで乗り換える
パネルディスカッションの1つ目のテーマは「見るだけのデータから動かすデータへ」。
グロービスの倉元氏から、古くから存在する自社開発のCRMとの連携のズレによりデータに不整合が生じ、顧客体験の悪化につながりかけた、というエピソードが披露されました。
スマートドライブの岡氏も、マーケティング部門と営業部門の間でそもそもの用語の定義(MQL・SQLなど)の認識がズレていて、同じ話をしているつもりなのに全く噛み合わなかったと当時を振り返ります。
この壁をどう乗り越えたのか。ツールの魔法のような設定はありません。岡氏いわく、「営業がどうリードを選定しているか、泥臭く対話して認識をすり合わせた」。徹底して人間臭いコミュニケーションを重ねて乗り越えたようです。
トップマーケターほど、パソコンの画面ではなく「人」や「組織」に真正面から向き合っている。会場の空気が引き締まった瞬間でした。
RevOpsの本質はシステムの統合ではなく、コミュニケーションの統合
最近注目されてきた「RevOps(レベニューオペレーション)」。経営陣を巻き込んだ壮大なシステムやデータの統合を想像して、現場が萎縮してしまうケースは少なくありません。
経営者の視点を持つナインアウトの石野氏はこう指摘します。「例えば同じ施策を見ていても、経営者はそれが売上や事業成長に、今年度あるいは来年度いつ・どれくらい貢献するのかという視点で見ています。一方で担当者としては、この施策で何件商談が生まれたかといった施策単位の成果を見ていることが未だ多いと思います。だからこそ、施策の成果をリード数や商談数だけで終わらせるのではなく、その施策が最終的に「いつ、どれくらい収益に貢献するのか」まで可視化できる状態をつくることが重要だと思っています。」と。
RevOpsの本質は、システムの統合ではなくコミュニケーションの統合です。日立製作所の佐藤氏いわく「巨大なシステムを構築しなくても、マーケティング側と営業側が共通の目標で会話できるダッシュボードを1つ作る。他部門のデータを共有して、ボトムアップで周囲を巻き込むこともできる。」
こうしたスモールスタートから、組織は確実に動き出します。
AI時代こそ、顧客の心を動かす施策にこだわる
パネルディスカッションの2つ目のテーマは「AI時代のマーケターの真価と武器」です。
AIがLPを作り、メールを書き、データを分析する時代です。ただMarketoを操作するだけの「オペレーター」は、間違いなく淘汰されます。では、人間は何をすべきか。
ナインアウトの石野氏は、過去、顧客が本当に求めているエビデンス情報を作るため、情報解禁時にオフィスにいるメンバーが自転車を走らせて霞が関の官公庁へ出向き、一次資料を収集・活用して即日コンテンツ化。結果、大きな反響を得たそうです。
石野氏はこう語ります。「AIを使えるのは当たり前の時代。だからこそ人間は、超・非合理だけど他の誰かはやってない顧客の心を動かす施策や、泥臭くユニークな一次情報を取りに行くことにこだわるべき。」
グロービスの倉元氏も、この意見に深く頷きます。「ツールの設定や動作確認に時間を取られるのではなく、お客様に向き合う、その時間がようやく作れると思えば、AIはむしろワクワクする存在です」。さらに倉元氏は、顧客インタビューで集めた生の声をAIにどんどん蓄積していくことで、顧客像の解像度が上がると指摘。「ただし、そこからどんなアイデアを引き出すかは、やっぱり人間の仕事です。」と語りました。
AIに作業を任せ、浮いた時間で顧客の声を直接聴きに行く。次世代のマーケターの戦い方の一例です。
ネットワーキングは「ここだけの話」の宝庫
本編後のネットワーキングは、まさに「ここだけの話」の宝庫でした。
お酒を片手に、「実はあの施策、最初は社内で大反対されて…」「AI、まだ全然使いこなせていなくて焦ってます」「上司をどう説得しましたか?」といった、ウェビナー時の質問やWeb記事にはなかなか出せない本音が飛び交います。終了時間まで熱気は冷めませんでした。
マーケティングの担当者は社内で孤独になりがちです。だからこそ、同じ痛みを知る同志やトップランナーと出会い、名刺を交換し、直接裏話を聞けるオフラインの場は何物にも代えがたいものです。今回参加できなかった皆さま、次回はぜひこの空間に飛び込んできてください。
マーケティングの組織的推進に向けて
当イベントでご紹介した「Adobe Marketo Engage の運用とデータ活用に関するアンケート」の結果からも、多くの企業が「組織連携」の壁の前で停滞していることが明らかになりました。
パワー・インタラクティブでは、デジタルマーケティングを組織的に推進するためのデータ基盤構築をはじめとする仕組みづくりやご担当者のスキルアップを支援しています。「Adobe Marketo Engage の運用とデータ活用に関するアンケート」にご回答いただくと、貴社向けの個別レポートをご提供することも可能です。
アンケートへの回答はこちら
以下もご参照ください。
マーケティングオートメーション活用の次のステップ 収益を最大化するデータ基盤整備【チェックリスト付き】
MOps支援サービス
RevOpsプロジェクト立上げ支援
マーケティングコンサルタント
今西 涼
生成AIを活用したマーケティング業務の効率化・高度化支援
広告代理店でのアートディレクターを皮切りに、不動産営業、大手人材企業でのデータエンジニア・事業企画、ソフトウェア企業でのパートナーサクセスと、複数の業界・職種で成果を重ねる。
1,500名規模の営業組織にTableauを導入し、データドリブンな意思決定の定着を主導。ビジネス課題をデータとAIで解く実行力と、技術を経営成果に翻訳する力を武器に、マーケティングコンサルタントとして従事。
愛犬をカメラで追いかけるのが週末の楽しみで、お菓子作りも得意。



